読売新聞社と早稲田大学おこなった全国世論調査で、労働力として外国人を積極的に受け入れることについて「反対」が「どちらかといえば」を含めて59%となり、昨年11~12月調査の46%から急増した。
同調査からは、7月の参院選後の国民の意識の大きな変化が読み取れるという。外国人の積極的な受け入れは、昨年は「賛成」が多かったが、今回急落しているからだ。
そもそも、日本では少子高齢化が進む中で外国人の受け入れを拡大してきたが、これについてはさまざまな議論がある。論点を改めて整理していこう。
ココがポイント
外国人労働者の積極的受け入れは、昨年は「賛成」が多かったが、今回急落した。
出典:読売新聞オンライン 2025/12/2(火)
生産年齢人口は、2025年の7310万人から…激減する見通し。現状の生産活動を維持するには、日本人労働者だけでは賄えない
出典:朝日新聞 2025/8/19(火)
都内の特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームの67%が外国人材を雇用…外国人材は施設経営に欠かせない
出典:福祉新聞Web 2025/2/27(木)
エキスパートの補足・見解
外国・移民労働者の受け入れが経済に与える影響については正負両面から分析されてきた。まず、少子化傾向が続く日本では、移民が経済の規模・成長に寄与し、税・社会保障にも寄与すると考えられている。特に、過疎地域の衰退産業を支え雇用を維持ことが期待される。その一方で、外国人労働者の流入は労働市場を低賃金化し、日本人の失業を増やすという懸念や、衰退産業の保護がかえって経済効率を妨げ、社会保障負担も増えるという意見もある。
これまでの調査では、日本の外国人労働比率が高い地域では、労働集約的な産業が残存する傾向があり、地域の失業緩和に寄与しているという結果がある。また、外国人の増加は日本の労働者の賃金上昇に寄与する一方で、雇用量にはマイナスとの研究もある。ただし、研究データーは不足しており効果は不明瞭だ。
なお、移民労働者は自国の国・家庭の支出によって教育・訓練を受けて日本に来る。日本の人材育成を他国の教育の努力の成果によって埋め合わせている点も見落としてはならないだろう。
いずれにせよ、近年は人手不足が進行する中で、日本の産業基盤の維持に外国人労働者は不可欠な段階に入っている。特に介護など労働集約的産業ではそれが顕著である。
